こんな風に毎日がすぎるのかと
途方に暮れる
でも朝になって
また繰り返し
逃げ出したい
ここから
どこかに
遠くに
他人に期待をしない
分かってもらいたいとも思わない
ただ半径1メートルに
ずかずか入ってこないでほしい
望むことはそれだけ
振り返り
振り返り
ここまで歩いてきたけれど
今はなにも考えるな
進め
今はただ進め
初めて聴いたその歌は
郷愁を思い起こさせる
忘れかけたような遠い日々
戻らない日々
小さい頃は、よく意味が分からなかった
今では痛いほど分かる
痛いほど
苦手なものには関わらないようにしてきたし
これからもそうするつもり
でも往々にして
寄ってくるのは苦手なものばかり
厳しい
甘さがほしい
ゆとりがほしい
満足感が報酬
よろこんでもらえたことが報酬
そうなればいい
この星が生まれたときから
そこにあったような扉
侵入を防ぎ
脱出を防ぎ
なにを守る
おぼろげな月を
隙間から見上げる
かの月は
遠くなりにけり
しょんぼりしているように見えるのは
きっとそうであってほしいからだ
狼煙をあげよ
かがり火を焚け
虚空にひびく
法螺貝の音
逃げ惑う羊を
さあ捕まえろ
這いつくばったかつての肖像
やれ踏まぬか
おまえは
踏めぬのか
捨てぬのか
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